| キマル島タイマイ保全プロジェクト海賊に占領されたタイマイ産卵地でプロジェクト再開!2000年2月にタイマイ保全プロジェクトを開始したキマル島(ブリトン島/ジャカルタの北北東約300km/の西約30km)は、2000年12月の島所有者(卵の監視員)の死去を発端に海賊がこの島を占拠するようになり、プロジェクト中断を余儀なくされていました。その後は状況を静観していましたが、 2006年5月に再度調査を行った結果、海賊が島を去ったとの情報と痕跡を確認できたため、2007年3月よりプロジェクトを再開しました。岩礁域やマングローブ帯に囲まれた周囲約4kmのキマル島には人の居住はなく、4つの小さな砂浜が点在するだけですが、2000年当時で年間300~400巣のタイマイ産卵巣が確認されています。インドネシアではもちろん、世界でも貴重なタイマイ産卵地の1つとなっています。 島の借り上げと卵の監視島所有者(故人の妻)との合意により、プロジェクト実施のために島を借り上げることが可能となりました。また、監視小屋や井戸などの生活インフラを整備することでスタッフを配置できるようになり、卵を近隣住民による採取から守るための監視や産卵巣数のモニタリングを開始しています(プロジェクトを中断していた約6年間は、ほとんどの卵が採取されていたと推測されます)。2000年当時で年間300~400巣あったタイマイ産卵巣数は、現在、年間200巣前後で推移しています。2013年は233巣の産卵がありました。 オオトカゲによる卵食害の大問題現在この島での一番の問題はトカゲによる卵の食害です。2000年にはいなかったトカゲですが、海を渡ってやってきたようで、現在保護している産卵巣の約9割がトカゲに食べられてしまっています。「トカゲも自然の生き物ですのでそのまま自然に任せるのが良いのでは」という意見もありますが、現状として保護しているタイマイという種は非常に数が少ない種であるということと、トカゲの食欲はものすごく旺盛であり放置しておくと卵はほぼ根こそぎ食べられているという状況です。従って現状として卵が食べられないための対策は必要であると考えています。 トカゲを完全に排除するのではなく、できるだけ食べられないようにする策を中心に練っています。まずは真面目に働く監視スタッフの確保、そしてあわせてトカゲの生態を調べることも必要です。カウンターパートのスタッフによる監視スタッフの指導が必要不可欠ですが、そのための経費と新スタッフ雇用の経費が不足しています。 是非皆様の温かいご支援を宜しくお願いします。 | |